油断するなここは戦場だ

ヨウ素の旅

あちこちの下水処理上で汚泥の測定がされ、放射性ヨウ素が検出される事例が増えています。これを、福島第一からくると思うと

0) そもそもなぜ下水だけ?
1)ある地域の処理場では出ているのにすぐとなりでは出ていない、
2) 大気エアフィルターにヨウ素はとっくに出なくなっている (例:高崎の不拡散センター http://www.cpdnp.jp/)
3)そもそも半減期が8日なので逆算すると量が巨大、
4)しかもセシウムが出ていない

と、どう考えてもだめだめ (例えば この togetter  http://togetter.com/li/156686 の前半)となってしまいます。

放射性ヨウ素は、医療現場で甲状腺の治療に使われています。甲状腺はヨウ素を集める性質をもっており、治療のさいには、まず甲状腺をヨウ素欠乏の状態にしたあとで、放射性ヨウ素を飲みます。この時には多くのヨウ素が投与されます。入院の場合は放射性ヨウ素は別に処理されて、下水にでませんが、 500MBq=5億Bq 以下のヨウ素の投与の場合は入院の必要がなく、この場合投与されたヨウ素のかなりの部分が尿として、一般家庭のトイレから下水に流れます。

例えば下水にながれたヨウ素が 0.1億Bq でこれが地域の下水処理場に流れたとします。このサイトにでている
一番大きな値をだしている富士北麓浄化センター(http://www.yamanashi-swc.or.jp/hokuroku/hk_data.htm) の一日の汚泥は平均して約10トンですから、1000Bq/Kg と実際に検出されている最大値1500 Bq/Kgが簡単に出てしまいます。なお、この浄化センターの処理地域には、富士吉田市立病院があります。国から地域がん拠点センターに指定されており、放射線科もあるようですが、ここでの医療活動と関係するのかどうかはわかりません。

患者さんが放射性物質を投与された病院と、ご自宅が距離が離れている場合もあるでしょう。富士吉田市立病院は大変立派なライナックを有する放射線治療科がありますが、ネット上はヨード内服治療をやっていることは確認できませんでした。静岡の狩野川東部浄化センターの処理地域も内服治療をやっている病院はないようです。甲状腺の病気は人がいればどこにでも発生しますし、治療費の面からも通院で治療できるメリットは大きいと思います。

ただ、甲状腺治療をやっていることが明らかな病院のある地域でヨウ素が観測されることも多いように思います。たとえば山梨の釜無川浄化センターは山梨大学付属病院のある中央市を含んでいます。松本の宮渕浄化センターは信州大学付属病院、いずれもヨウ素内服療法の治療ができる病院を処理地域に含んでいます。
 甲状腺のヨウ素内服治療についてはこちらに情報があるようです。 ( http://oncology.jsnm.org/iodine/list/thyroid#04   PDF のリスト http://t.co/oLxmDW9  )
[PR]



by mihoko_nojiri | 2011-07-18 10:36

physics at LHC
by mihoko_nojiri
プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
宇宙物理
自分のこと
物理
生物

社会
未分類

フォロー中のブログ

メモ帳

最新のトラックバック

ここは酷いはやぶさ2の予..
from 障害報告@webry
OPERA実験/iPho..
from 土屋つかさの今か無しか
ここは酷い両極端ですね
from 障害報告@webry
ここは酷い停波祭り非参加..
from 障害報告@webry
【話題】チャリティサイエ..
from Science and Co..
【話題】チャリティサイエ..
from Science and Co..
[髮曽
from yyzz2;虫撮記【虫画像・他】
恒星間旅行に最も近い一冊..
from 404 Blog Not F..

ライフログ

検索

タグ

ブログパーツ

最新の記事

コライダー勉強会のホームペー..
at 2015-11-20 13:32
コライダーの物理の勉強会
at 2015-11-09 17:45
コンパイラ
at 2015-11-06 22:25

外部リンク

ファン

ブログジャンル

画像一覧